陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

令和初の伊勢路の王者は? M高史的全日本大学駅伝の楽しみ方!

13年前、第38回の全日本大学駅伝で駒澤大が優勝した時の写真です。左下が僕です!(写真は本人提供)
いよいよ箱根駅伝予選会! 「M高史的注目校」&とっておきエピソードを!

学生三大駅伝初戦となる出雲駅伝では、國學院大が初優勝。先週の箱根駅伝予選会では筑波大が26年ぶりの本戦出場を決めました。そして今週は大学駅伝日本一を決める全日本大学駅伝です! 全国から8地区(北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国四国、九州)の25大学とオープン参加の2チーム(日本学連選抜、東海学連選抜)が出場します。

前回覇者の青山学院大に、今年の箱根を制した東海大学。今年の出雲で三大駅伝初優勝を飾った國學院大。出雲では最後に逆転しましたが、厚い選手層を誇る駒澤大。大エース相澤晃選手を擁する東洋大。帝京大や順天堂大も、記録会で好記録を連発していて注目です。また出雲で6位と関西勢の意地を見せた立命館大も、その後の記録会で5000m13分台の選手が続出し、勢いがあります。関東勢に食らいついていくでしょう!

「打倒関東」の気持ちで挑む立命館大学にも注目です!(撮影・藤井みさ)

令和初の全日本王者となるのは、果たしてどのチームになるのでしょうか?

また8位までに入ると、来年のシード権が与えられます。その争いも熾烈(しれつ)です。

各校の戦略に注目!

走るコースに変わりはないのですが、前回の第50回大会から8区以外の中継点が変更になりました。

1区 9.5km
2区 11.1km
3区 11.9km
4区 11.8km
5区 12.4km
6区 12.8km
7区 17.6km
8区 19.7km

第49回大会までは
1区 14.6km
2区 13.2km
3区 9.5km
4区 14.0km
5区 11.6km
6区 12.3km
7区 11.9km
8区 19.7km

という距離でした!

総距離の106.8kmは変わりません。前回からの距離変更で1区が最も短く、徐々に距離が伸びていき、後半の2区間がとくに長く、勝負のカギを握ることになりました。

前回は青学大が7区に主将の森田歩希選手(現・GMOアスリーツ)を配置。東海大を逆転して首位に立ちましたね。8区も相澤晃選手(東洋大)が区間賞を獲得するなど、エースが待ち構えています。

昨年は完全燃焼できなかったと語った相澤選手、今年はどんな走りを見せてくれるでしょうか(撮影・松嵜未来)

7区にエースを配置して、8区で逃げ切るのか。7区は前が見える範囲でつないで、8区に勝負をかけるのか。各校の戦力が拮抗しているので、6区までに大差をつけて逃げ切るのはなかなか難しいかもしれません。

もし1区から6区まで上位でつなぎ、7区も8区もエースを配置できるチームが登場したら、とんでもない脅威になるでしょう! とはいえ、序盤で出遅れてしまうと挽回するのは大変ですので、やはり1、2区にも力のある選手や試合で外さない安定感のある選手を配置したいところですね。各大学、監督さんの戦略、読み、区間配置にも注目です!

マネージャーの動きにも注目!

さて、選手を支えるマネージャーさんたちの全日本大学駅伝での動きについては、昨年のコラムでたっぷり書かせていただきました。

もうひとつの全日本 そのとき主務は……

マネージャーさんたちは基本的に先輩方が残してくれた資料を参考にさまざまなサポートや準備をするのですが、中継点が変わった前回は「初めてづくし」で大変だったそうです! ただ、そこを臨機応変に動いていくのがマネージャーさんたちの腕の見せどころ。普段から準備して行動しているからこそ、アドリブが効くのでしょう。準備すること、行動すること、確認することの大切さは僕も学生時代に恩師・大八木弘明監督から教わりました!

昨年の全日本大学駅伝、選手の走りを見守る駒澤大・大八木監督(撮影・松嵜未来)

今年のマネージャーさんたちは、前回先輩たちが残した資料やデータを参考にできますね。選手の皆さんが母校の襷(たすき)を次の走者へつないでいくように、マネージャーさんたちも資料やデータを次の世代のマネージャーさんたちに襷リレーしていく。学生駅伝の醍醐味でもあります。

選手がより競技に集中する環境をサポートするマネージャーさんの役割は、とても重要です。この夏、駒澤大学の藤田敦史ヘッドコーチはおっしゃってました。「マネージャーがしっかりしてると、監督やコーチが選手の走りを見るのに集中できるんです」と。

駒大陸上部、野尻湖の夏合宿でマネージャーの1日に密着しました

その言葉通り、マネージャーさんがしっかりしていれば、監督やコーチも指導に集中できますね。各大学の監督さんたちが口をそろえておっしゃるのが、選手の育成とともにマネージャー育成の重要さです!

全日本大学駅伝を応援される際、選手の周りでテキパキ動いているマネージャーさんにも、ぜひ注目してみてください!

全日本大学駅伝、報道バスに乗って取材してきました!

M高史の陸上まるかじり

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