ラグビー

ラグビー 明大-慶大 今年も好勝負必至

FWを支えるリーダーの一人FL井上。トライを取る嗅覚にも優れる (斉藤健仁)

関東大学対抗戦グループA

11月4日@秩父宮ラグビー場
明治大(4勝)- 慶應義塾大(3勝1敗)

11:30キックオフ

11月を迎え、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ(以下対抗戦)は、いよいよ優勝を争うライバル同士の激突が始まる。11月4日(日)、東京・秩父宮ラグビー場で、昨年度の大学選手権準優勝の明治大学と慶應義塾大学が対戦する。

春、夏に帝京大学を下した明治はここまで好調を維持しており4勝0敗と負けなし。一方の慶應は10月21日に王者・帝京に19-24と惜敗したものの、ここまで3勝1敗。
明治にとっては、昨年26-28と2点差で負けている慶應に今年こそ勝利して弾みを付けて11月18日の王者・帝京戦を迎えたいところ。一方の慶應にとっては連敗をしてしまうと対抗戦優勝から遠ざかるため、何としても白星を挙げたいところだ。

◇明治 対抗戦 4勝0敗
9月15日   ○明治 88-0(40-0)青山学院 
9月30日   ○明治 31-17(24-0)日体
10月7日   ○明治 66-21(26-7)筑波
10月20日 ○明治 110-0(63-0)成蹊

◇慶應 対抗戦 3勝1敗
9月15日   ○慶應84-17(49-10)日体
9月30日   ○慶應35-24(28-7)筑波
10月7日   ○慶應68-14(28-7)成蹊
10月21日 ●慶應19-24(7-24)帝京

FW、BK一体となったアタックで昨年のリベンジ果たせるか

春から好調を維持しており、前節の成蹊戦も16トライを挙げて110-0と快勝した明治のメンバーから見てよう。今年、創部95年を迎えた明治は、昨年度はヘッドコーチだった田中澄憲氏(元日本代表/サントリー)が監督に昇格。田中監督はポジション争いを促しながらも選手を試してきた。そして、この慶應戦ではほぼベストメンバーを組んできた。

◇明治 先発メンバー
1 安昌豪(3年、大阪朝鮮)
2 武井日向(3年、國學院栃木)
3 祝原涼介(4年、桐蔭学園)
4 片倉康瑛(2年、明大中野)
5 箸本龍雅(2年、東福岡)
6 朝長駿(4年、長崎北陽台)
7 井上遼(4年、報徳学園)
8 坂和樹(3年、明大中野八王子)
9 福田健太(4年、茗渓学園)
10 忽那鐘太(4年、石見智翠館)
11 髙橋汰地(4年、常翔学園)
12 森勇登(2年、東福岡)
13 渡邉弐貴(4年、國學院栃木)
14 山村知也(3年、報徳学園)
15 山沢京平(2年、深谷)
リザーブ
16 松岡賢太(3年、京都成章)17 齊藤剣(4年、能代工業)18 笹川大五(明大中野)19 小宮カズミ(4年、目黒学院)20 石井洋介(3年、桐蔭学園)21 飯沼蓮(1年、日川)22 射場大輔(3年、常翔学園)、23 山﨑洋之(3年 筑紫)

プレーで引っ張り続ける主将のSH福田 (斉藤健仁)

明治は今年こそ22年ぶりの大学選手権の王座奪還を狙う。その足がかりという意味でも対抗戦の優勝は欠かせない。「昨年のチームと自分を超える」「昨年の自分に勝つ」という意味が込められた「Exceed」というスローガンの下、1998年以来の対抗戦単独優勝を目指す。

チームを引っ張るのは「クレバーだし、メンタル面でも強気。嫌なこともしっかり言える」(田中監督)というSH(スクラムハーフ)福田、リーダーの一人であるFL(フランカー)井上の2人だ(ともに4年)。SH福田はパス、ラン、キックでSHの位置からゲームをコントロールし、FWのまとめ役であるFL井上はゴール前での決定力も高い。司令塔のSO(スタンドオフ)には「リーダーシップという面で(他の選手よりも)出てきた」と田中監督の信頼厚い忽那(4年)が先発する。

自陣からでもボールを継続するラグビーは今年も変わらない。バックスリーの決定力は高く、それでいてFWのセットプレーも安定している。スクラムは強く、ラインアウトからのモールも武器である。ビッグマッチに先発起用された片倉と昨年から中軸となっている箸本の2人の2年生LO(ロック)の力強いプレーにも注目だ。

明治は春季大会全勝で初優勝し、対抗戦も4連勝と隙のない戦いを見せている。田中監督は「1月12日の大学選手権の決勝をターゲットにし、1年間を3つに分けて強化をしてきた」と語る。アタッキングラグビーを信条とする明治としては、FW、BK一体となったアタックでトライを重ねて、常にリードする展開に持ち込みたい。最初の難関である慶應に勝利し、昨年のリベンジを果たして勢いの乗ることができるか。

パスとキックでチームをコントロールする主将のSO古田(右) (斉藤健仁)

伝統の激しいタックルで僅差の試合展開へ

続いて慶應のメンバーを見てみよう。

金沢篤HC(ヘッドコーチ)体制は4年目を迎えている。4試合目の帝京戦に19-24と僅差の敗戦。対抗戦の優勝争いに残るためには必勝の試合となった。

◇慶應 先発メンバー

1 渡邊悠貴(4年、慶應)
2 原田衛(1年、桐蔭学園)
3 菅公平(4年、慶應)
4 相部開哉(2年、慶應)
5 辻雄康(4年、慶應)
6 川合秀和(3年、國學院久我山)
7 山本凱(1年、慶應)
8 山中侃(4年、慶應)
9 江嵜真悟(4年、小倉)
10 古田京(4年、慶應)
11 宮本瑛介(4年、慶應)
12 栗原由太(3年、桐蔭学園)
13 三木 亮弥(2年、京都成章)
14 高木一成(3年、慶應)
15 宮本恭右(2年、慶應)

リザーブ
16 安田裕貴(3年、慶應)17 有賀光生(3年、國學院久我山)18 大山祥平(2年、慶應)19 植竹創(4年、湘南)20 北村裕輝(2年、慶應)21 若林俊介(2年、慶應)
22 阿部直孝(1年、國學院久我山)23 豊田康平(4年、國學院久我山)

フィジカルでチームを引っ張る副将のLO辻 (斉藤健仁)

中・高・大連係で強化にあたっている慶應。チームの中軸は、4年前花園に出場した慶應高出身の選手たちだ。エースのFB(フルバック)丹治辰碩、HO(フッカー)中本慶太郎(ともに4年)の2人はケガなどの理由で出場できないが、慶應初の医学部主将となったキャプテンSO古田、PR(プロップ)渡邊、副将LO辻、NO8(ナンバーエイト)山中、WTB(ウイング)宮本瑛介(いずれも4年)、スピードが武器のWTB高木(3年)らが高校時代に全国大会を経験しており、中学生時代から一緒にプレーしている選手も多く、連携は取れている。

他にも春シーズンはU20日本代表に選出されていた2人、LO相部(2年)とルーキーのFL山本は激しいタックラーであり、接点周辺で存在感を示す。HOには秋入試で合格した1年の原田が勝負試合で先発に起用された。またBKもSH江嵜(4年)、CTB(センター)栗原(3年)、三木(2年)ら実力者が揃う。

山中湖での夏合宿では、元日本代表指揮官のエディー・ジョーンズ氏(現イングランド代表HC)を招聘。2日間にわたり、接点の2人目の動きを特に強化してきた。その成果は帝京戦でも出たと言えよう。ただし、マイボールラインアウトで乱れたことが勝敗に大きく影響した。金沢HCは「スキルなので磨くしかない」と語る。

慶應にとっては2000年以来の対抗戦優勝、さらに大学日本一まで駆け上がるためには落とすことができない勝負試合となった。やはりFL山本(1年)を筆頭に伝統の激しいタックルで、ディフェンスからリズムを作り、僅差でゲームを展開したいところだ。そしてセットプレーを活かして、チャンスをしっかりと得点に結びつけたい。

毎年、接戦を演じているライバルの明治と慶應。今年のチームは、ともにFW、BKにタレントが揃い、総合力に長けている。紫紺が勝つか、黒黄が制するのか――今年も最後まで結末がわからない好勝負となることは必至だ。

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