サッカー

降格決定も、同志社イレブンは戦い抜く

前半22分、同点弾を決めたMF川本(右)

関西学生リーグ1部 後期第10節

11月18日@京都・西京極陸上競技場
同志社大(勝ち点15) 3-1 大阪学院大(20)

試合前、同志社イレブンに悲報が届いた。残留を争っていた近大が甲南大に勝ったため、同志社の2部への自動降格が決まった。「絶対残留」を掲げて戦ってきた選手たち。厳しい現実を突きつけられたが、ゲームキャプテンを務めたGK白岡ティモシィ(4年、サンフレッチェ広島ユース)は「どっちに転んでも、気にせずにやれることをやろうと話していた」と明かした。

試合は開始早々に動いた。前半2分、左サイドで与えたFKからゴールを許した。いきなりの失点だったが、MF杉原啓太(4年、星稜)は「あの失点のおかげで、逆に集中できた」と言った。たしかに同志社はそれ以降、試合のペースを握った。22分にはエリア内の混戦からMF川本紘平(4年、藤枝東)が右足を振り抜き、試合を振り出しに戻した。その直後の29分には、左コーナーキックをファーサイドのDF西中竜斗(3年、玉野光南)が折り返し、FW金潤求(4年、近大付)が頭で完璧に合わせて勝ち越した。ディフェンスラインを高めに設定してコンパクトな守備を心がけた結果、相手の攻撃を封じるのに成功。前半はシュートを2本しか打たせなかった。

ラストシーズンにかけた4回生の一発

後半、同志社は落ち着いて試合を運ぶ。同志社は中盤のラインが低く、ビルドアップがうまくいかなかったが、後半はボランチが攻撃に絡み始め、リズムがよくなった。7分にはボランチで久しぶりに先発出場したMF井村泰誓(4年、東山)が右サイドをドリブルで突破し、クロス。FW竹田そら(3年、岡山学芸館)がバイシクルシュートを狙うもジャストミートできず。その後は停滞気味の時間が続いたが、20分に「ゴラッソ」が生まれる。自陣左サイド深くでボールを奪ったMF杉原が中央に展開、FW竹田がキープし、FW金にパス。金は相手の懸命のディフェンスに潰されたが、そのこぼれ球に反応にしたのがDF宮谷大進(4年、星稜)だった。大学サッカー最後のシーズンとなる今秋からスタメンに定着した苦労人は、迷いなく左足を振り抜いた。これがゴールネットを揺らす。「チャンスだと思って上がったら、運よくボールがこぼれてきた。たまたまですけど、入ってよかったです」と笑った。このまま終了。同志社の完勝だった。同志社が最後に勝ったのは9月28日の京産大戦だった。実に1ヶ月半ぶりの勝利だった。

「目標だった1部残留が消えたけど、僕たちがサッカーをやる理由は『感謝の体現』です。だから最後までしっかりプレーして、家族とかトレーナーとかマネージャーとか、関わってくれてる人みんなに感謝を伝えたい」。ゲーム後、GK白岡は現実を受け止めつつ、前を見た。支えてくれるすべての人に「感謝」を。同志社イレブンは最後まで戦い抜く。

3点目を決めて笑うDF宮谷

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