陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

故郷への思いを襷に込めて! 3年ぶりに開催の都道府県駅伝にうかがいました!

3年ぶりの都道府県駅伝!M高史は福島県チームのサポートをさせていただきました(すべて撮影・M高史)

今回の「M高史の陸上まるかじり」は3年ぶりの開催となった全国都道府県対抗男子駅伝のお話です。私、M高史も3年ぶりにうかがってきました!

推しの選手は岩手の高3・工藤信太朗選手

木曜日の夜に広島入りしまして、金曜日はNHK総合(中国地区での放送)に生出演。大会の注目選手や見どころなどをお話させていただきました。

放送内でお話したM高史の注目選手は岩手県・一関学院高校3年の工藤信太朗選手。以前、一関学院高校へ部活訪問でうかがった時に一緒に練習させていただきました。

工藤選手の持ち味は100mを11秒2台で走るという長距離選手としては屈指のスプリント!藤井輝監督のご指導のもと、切れ味鋭いラストスパートでU20日本選手権3000mでは優勝も飾りました。

また、部活訪問でうかがった時にたまたま練習体験に来ていた中学生に丁寧に優しく接している姿も拝見し、工藤選手の人柄も垣間見えました。

駒澤大学で箱根優勝メンバーの藤井輝さん 母校・一関学院高校で、指導者の道へ!

レースでは1区を走り、区間記録が誕生する超ハイペースの中、序盤から前方に位置して積極的な走りを見せます。結果的には区間20位ということでレース後にご本人とお話したところ、悔しそうにしていましたが、今後のさらなる活躍に期待ですね!

恩師の出身「福島県チーム」でサポートをしました

土曜日は「RUNナビ!ひろしま男子駅伝レース直前スペシャルトーク」という前日トークイベントにて、広島経済大学陸上競技部監督の尾方剛さん、タレントの藤江れいなさん、古賀成美さんとご一緒させていただきました。

前日イベントにて。左から出雲あや乃さん。尾方剛さん。藤江れいなさん。古賀成美さん

司会の出雲あや乃さんの進行のもと、尾方さんの注目ポイントや藤江さん、古賀さんの質問に尾方さんがお応えされたり、駅伝大好きな方はもちろん、あまり詳しくない方も「駅伝詳しくないけど楽しめました!」というお声をいただき、僕も楽しく出演させていただきました。

北京五輪マラソン代表の尾方剛監督が率いる広島経済大学で走ってきました!

尾方さん、藤江さん、古賀さんがそれぞれ優勝予想チームを発表。

私、M高史は福島県を推させていただきました!また、前日のテレビでは工藤信太朗選手を推させていただきましたが、今回のイベントでの注目選手には滋賀学園高校3年の安原海晴選手を挙げさせていただきました。注目選手や推しの選手がたくさんいるので一人を挙げるとなるといつも迷ってしまいます(笑)。

安原海晴選手には滋賀学園高校の部活訪問でお世話になったり、実況を務めさせていただいたホクレンディスタンス・チャレンジでは目の前で13分台を出されたり、注目していました。

監督の大河亨先生の熱心なご指導や外部コーチの宮﨑要輔さんを招いて一本歯下駄(げた)を使ったトレーニングや動き作りで体の軸も安定し、しなやかで腰高なフォーム作りもしてきました。

海晴選手のお兄さん・安原太陽選手は駒澤大学で出雲・全日本・箱根の全てを走って優勝ということで、兄弟で注目させていただきました。結果の方は安原海晴選手は5区で7人抜き。39位から32位に順位を押し上げ、区間13位となりました。

そして、いよいよ日曜日、本番当日です。M高史はご縁がありましてなんと福島県チームのサポートをさせていただきました!

駒澤大学OB・安西秀幸さん「駅伝優勝請負人」が駆け抜けてきた道!

実は福島県チームの監督をされている安西秀幸さんは駒澤大学の1学年後輩というご縁もあり、今回貴重な経験をさせていただきました。

前日夜のミーティングにも参加。目標タイム、当日の動き、スケジュールなどを細かく確認していきます。

僕自身マネージャー出身ですので、懐かしさとワクワクが重なりました。選手の皆さんが不安にならないように、余裕を持ってスケジュールや流れを組み、コーチで箱根駅伝出場経験のある小泉元さんが丁寧に説明をしていきます。

特に3年ぶりの開催ということで特に中学生、高校生は初めての都道府県駅伝という選手も多いので確認はやはり大切ですね。

ウォーミングアップに行く前の準備も大切です

当日は朝から荷物運びにベッドの準備…学生時代を思い出します

当日は朝練習から顔を出させていただき、荷物を会場まで運び、陣地で荷物やトレーナーさんのベッドの準備をします。

福島県チームでは7年前からトレーナーの桑井太陽さんが帯同しています。大会の直前だけでなく、定期的に帯同されて代表候補選手のトレーニングを担当。特にウォーミングアップの前の運動が印象的でした。動き作りや走る前に神経系に刺激を入れる動作などを継続して取り組んでいるそうです。

福島県チームでアンカーを務めた東洋大学の松山和希選手(3年、学法石川)は高校時代からこのトレーニングに取り組んでいるそうです。

松山選手は中学でも高校でも都道府県駅伝で区間賞を獲得するなど、福島県チームにも貢献しています。今回は故障明けでまだ万全でない中でしたがアンカーを務められました。

16位でフィニッシュする福島県のアンカー・松山(撮影・上田潤)

1区の小田切幹太選手(学法石川高校3年)の付き添い、ウォーミングアップを安西監督と見守り、招集所へ一緒に移動といった流れはまさに大学の時にやっていたことだなぁと(笑)。学生時代にやっていたことがよみがえってきました。

スタート後は、福島県チームの待機スペースで選手の帰りを待ちます。今回の経験を通じて、各チームの裏方をされている方がいて選手の皆さんが思いっきり現状打破できるんだなと改めて感じました。

福島県チームでは6区の増子陽太選手(鏡石中3年)が8分36秒で区間賞を獲得。3000mで8分11秒12ととてつもない日本中学記録を出した増子選手ですが、実は今大会前はあまり調子も上がってこなかったそうです。記録的にも走りも増子選手ご自身は悔しい結果だったそうですが、その中でも区間賞を獲得。高校での活躍にも期待ですね!

また、5区を務めた谷中晴選手(帝京安積高校2年)。区間9位の走りでチームの順位を押し上げました。今回24分57秒で5区を走破した谷中選手。この記録は前述した松山和希選手が学法石川高校2年生の時(福島県チームが優勝した2019年、第24回大会)に走った記録を上回ったということで、来シーズンにも期待したい選手です。

1区が25位でスタートし、6区で9位まで順位を上げた福島県チーム。最終的には16位でフィニッシュとなりました。2019年で初優勝して以来の優勝に向けて、また来年も注目ですね!

福島県チーム

あらためて陸上愛と郷土愛の強さを感じました

今回、福島県チームのサポートをさせていただき、あらためて感じたのは福島県の皆さんの陸上愛と郷土愛です。

福島県といえば私の恩師・駒澤大学の大八木監督、そして藤田敦史ヘッドコーチのご出身です。

また、東洋大学の酒井俊幸監督も福島県出身ですし、山の神でもおなじみ今井正人選手や柏原竜二さん、相澤晃選手(旭化成)、遠藤日向選手(住友電工)といった日本を代表する選手も福島県の出身。1964年の東京オリンピックで銅メダルを獲得された円谷幸吉さんを筆頭に本当にたくさんの名選手、名指導者を輩出してきました。

福島県出身で五輪や世界陸上の日本代表も経験された佐藤敦之さん(現・中国電力陸上競技部ヘッドコーチ)によりますと「福島県は地域によって気候も文化も歴史も違いますが、郷土愛が強く、駅伝の時は一つにまとまるという強さがあります」と教えていただきました。

郷土愛が強く駅伝になると強い結束力で団結し、一本の襷(たすき)に故郷の思いを込めて繋(つな)いでこられたんですね。

福島県チームをはじめ都道府県それぞれの想い、そして世代を超えた襷リレーも都道府県駅伝の魅力なのかもしれません。

ちなみに、優勝した長野県チームと福島県チームは控え室の陣地が隣でした!立教大学の監督で今回は選手として出場された上野裕一郎さんにもごあいさつ。

現在、練習量は走れても30分程度と限られているそうですが、経験を生かしたさすがの走りで区間12位。後半は安全運転で走られていたそうですが、大会新記録で優勝のフィニッシュテープを切られました。大会記録を1秒更新するあたり、やはりもっていますよね!

上野さんといえば、僕がMCを務める市民マラソン大会に上野さんファミリーで参加されたりしているのですが、指導やスカウトで多忙な合間に家族サービスも兼ねて走られているのもいい練習になっているそうです。

リレーマラソンで他のチームはどんどん走者が代わって追いかけても、1人で走り続ける上野さんに全く追いつけないほど市民マラソンでも圧倒的なスピードをご披露されています(笑)

2024年の箱根駅伝出場を狙う立教大、上野裕一郎新監督も走る

というわけで、今回は全国都道府県対抗男子駅伝のお話でした!

M高史の陸上まるかじり

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