サッカー

関学DF南島彰人、最強のライバルに挑み続けて

得点後、カメラ目線のDF南島(中央)

関西学生リーグ後期1部最終節

11月25日@大阪・ヤンマーフィールド長居
関西学院大(勝ち点50) 2-0 大阪体育大(51)

関西王者・大体大とのリーグ最終戦。0-0の後半23分、DF南島彰人(4年、ヴィッセル神戸ユース)が決めた。仲間に囲まれ、応援団の元へ疾走する。と、すかさず振り返り、カメラにアピール。「俺を撮ってくれ! 点取ったぞ、って感じでした(笑い)」。関学のスピードスターが、感情をはじけさせた。

前半から持ち味のスピードを生かして右サイドを突破し、何度もチャンスをつくっていた。そして後半23分、MF海口彦太(4年、桐蔭学園)がボールを前線に運び、MF中野克哉(4年、京都橘)がシュート。こぼれ球が、攻め上がっていた南島のもとへ。冷静に押し込んだ。「いつも練習から狙ってる形だったので、うれしいです」。先制点はチームに希望を与える。本職のディフェンスでも3試合連続の完封勝利に導いてみせた。

持ち味のスピードを生かして、右サイドから何度もチャンスをつくった

最強にして最高のライバルが、ずっと南島の前に立ちはだかってきた。同じサイドバックの髙尾瑠(りゅう、4年、名古屋グランパスユース)だ。高尾はJ1ガンバ大阪への加入が決まっている。この日はメンバーを外れ、応援席の最前列で声援を送っていた。主将のFW藤原樹(4年、市西宮)は「瑠のライバルとして1年闘ってきた南島は、ほんとにすごいと思う。そういう南島が点を取ったからこそ、チームは活気づいたんです」と話した。その5分後に追加点が決まり、関学は2-0で快勝。南島は言った。「瑠はガンバに入るすごい選手です。でも、僕はポジション争いで負けたくなかった」。常に100%を出しきる覚悟で練習に臨み、チームを鼓舞。髙尾の背中に追いつけ、追い越せと突っ走ってきた。

南島とサッカーとの出合いは、幼稚園の年中のときだった。兄の練習についていって、自分も始めた。それ以来ずっと、サッカーボールを追いかけている。「試合に勝つと、日々の練習の辛いことを上回るうれしさがあった」。サッカーにのめり込み、練習に打ち込んでいった。DFになったのは大学3年のとき。「試合に出られるなら、どこのポジションでもやる」との思いからだ。持ち前のスピードを生かしたプレーで奮闘した。昨年はサイドバックとして、6年ぶりのIリーグ日本一に貢献。チーム内でも存在感を強めていった。

昨年の関学はリーグ戦6位に沈み、5年ぶりにインカレ出場権を逃した。今年は前期リーグ戦終了時に2位。後期はチーム一丸となって大体大に食らいつき、7あった勝ち点の差が1まで縮まった。それでも届かなかった。「目標のリーグ制覇を果たせなかった。勝ち点1、1点の重みを感じました」と、南島は悔しさをにじませる。まだ狙えるタイトルがある。インカレでの日本一だ。南島はこの日のように必死で守り、縦への突破で日本一へのゴールを呼び込む。

仲間とともに感情を爆発させた南島(右手前)

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